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第74話  好きって言われると困るんです!

last update publish date: 2026-08-09 13:00:20

翌朝。

 朱里は出社早々、デスクでため息をついていた。

 昨日、嵩に誤解を解かれた時──あんなに優しい顔で言われたのに、素直に「よかった」って言えなかった自分が嫌だった。

 むしろ、あの「好きすぎる」発言を思い出しては、ひとりで勝手に赤面して、勝手に混乱している。

「……あーもう! 何あれ! 『好きすぎる』って何なの!?」

 心の中で叫びながら、メールの返信を打つ手が止まる。

 机の上には、昨日嵩にもらった資料が置きっぱなし。そこに小さく“ありがと”って朱里のメモが残されていた。

 すると、ふいに背後から声がした。

「……朝からずいぶん考え事だな」

「ひゃっ!?」

 振り返ると、そこには当の本人──平田嵩。

 いつもの穏やかな笑顔で、コーヒー片手に立っている。

「な、なによ……脅かさないで
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